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キモノなカクテル
vol.6 : ウォッカトニック ~涼しくさっぱりな浴衣~
■レシピ
・ウォッカ 45ml
・トニックウォーター  適量
・ライム、もしくはレモン  1/6カット
■作り方
氷を入れたタンブラーにウォッカを注ぐ。ライム、もしくはレモンを搾り、搾り終わったライム、もしくはレモンをそのままグラスに入れる。トニックウォーターでグラスを満たし、軽くステアする。
ウォッカトニック

ジントニックのほうがスタンダードでございましょう。「ジントニ、一丁!」って。

ジンやウォッカに限らず、テキーラでもラムでもいいのです。透明の蒸留酒をトニックウォーターで割ると、テキーラトニックになり、ラムトニックになります。

またバーへ行くとライムで出されることが通常ですが、レモンでもよろしい。わたしはレモンのほうがさっぱりとしていて好きです。ライムのほうがちょっとベッタリしている。
 自宅でも簡単に飲めるカクテルですが、スーパーに行くと無論、ライムよりレモンのほうが安いのでレモンのほうが気兼ねなく使えます。

バーで飲むと、ライムでもレモンでも値段は変わらないから、ライムのほうが得をした気分になるけれども、わたしはやはりレモンのほうがさっぱりしているから、ちょっと損をしたような気分になりながらも、

「レモンでお願い」

と、言うことにしています。何も言わないとバーではライムで出てくる。ケチな根性を出して黙っているとライムで出てきて、飲んでみると、「あ~、やっぱりレモンにしておけばよかった」と思う。

食べ物もそうだけれど、値段とおいしさは別の次元のことでございましょう。宝石はちゃんとした店では高いほうがもちろんいいものだけれど、食べ物は違います。高くてもまずいものはたくさんある。

と、ウォッカトニックのレモン仕上げはやはりジントニックに比べてさっぱり感があります。ジメジメと暑い日本の夏にはウォッカトニックがおいしい。わたしはビールよりウォッカトニックだと思う。

同じく、ジメジメと暑い日本の夏には浴衣がいい。男なんてどうでもいいけれど、美しい日本女性はさっぱりと浴衣を着こなしてほしいものです。

しかし、近年の浴衣は変な柄だけでなくドキツイ色合いで暑苦しいったらない。またそれを着る浴衣娘もヘアスタイルが変な茶髪な上にカールやらクルンクルンで言葉遣いも汚いから、暑苦しいったらない。

どこかで花火大会なんてあると、駅にぞろぞろと暑苦しい浴衣娘が出没するけれど、まあ、暑い暑い。ちょっとあんたたち、暑いからあっちへ行きなさい。シッ、シッ!

せっかく浴衣を着たいと思って頑張って着ているのに、そんな変な浴衣着て、暑苦しい髪型してるのはもったいない。浴衣はね、余計なことをしなくていいんです。シンプルでいいんです。それが一番きれいなんです。日本女性の特権なんです。

つまり、レモンを搾る程度でいいんです。

でも、今の女性ファッション誌だとかの情報が悪いんです。ひどい浴衣ばかりモデルに着させて、汚い情報ばかり垂れ流しているから、本当の浴衣を知らない若い人は浴衣とはそういうものだと勘違いしています。

ファッション誌の情報なんて信じちゃ駄目ですよ。ファッション誌を作っているひとたちなんて、美的センスはほとんどゼロです。それに携わるスタイリストもデザイナーも駄目。美意識なんか持ってませんし、そもそも日本の浴衣のことなんか何も知らないんだから。

そんな美しさからかけ離れたひとたちがファッションの情報を発信するからこんな暑苦しいことになる。

浴衣を着たいという心があるのだから、できるだけきれいにしてあげたいと思う。

浴衣というのは涼しげに、さっぱりと着るもの。そして、そんなすっきりとした貴女を見た人の心までもが気持ちよく感じて、夏はいいものだな、と他の人が感じるように着るのが美しい。

浴衣というものは、必要以上に自己主張するものではありません。

着物で振袖や訪問着だったら、ちょっと自己主張してみてもいいけれど、夏の浴衣はさりげなく、さっぱりと着こなすものです。うるさくあってはならないのです。

暑苦しくない、うるさくない。これが美しい浴衣姿です。

くせのないウォッカがうるさくなくて、さっぱりとしたレモンの香りが漂い、トニックウォーターの炭酸が爽やかさを感じさせるように、そんな浴衣姿が日本の夏には心地よいのです。

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